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鳥になった王さま 4

なるほど魔法使いのいったとおり、王さまと大臣は今まで見たこともないものをたくさん目にすることができました。そして、二人は人が他人に見せているのはよそいきの服だということを知りました。いつもきれいな服を着ている人に限って、人目のないところではろくでもない服を着ているのでした。

二人がしばらく飛んでいると、どこからか大きないびきが聞こえてきました。
「大きないびきだ。いったいだれのいびきだろう?」
不思議に思って耳をすましてみれば、そのいびきはお姫さまの部屋から聞こえてくるようでありましたので
「もしや、姫の部屋に男でもいるのではあるまいな!」
「王さま、もしかしたら泥棒かもしれませんぞ!」
と、二人は大急ぎでお姫さまの部屋に飛び込みました。
すると、そこで大きないびきをかいているのはほかでもない、当のお姫さまなのでした。いつもおとなしくて大きな声を出したところなど見たこともないお姫さまが、大きないびきをかいて眠っている姿はたいそうおもしろいもののように思われましたので、二人は
「ワッハッハッハ!ワッハッハッハ!!」
と、大きな声で笑いました転げました。その声がうるさかったのか、お姫さまの今にも目を覚ましそうなそぶりを目にした大臣は、びっくりしていいました。
「王さま!お姫さまがわたしたちを見て人を呼んだら、明日の朝のスープにされてしまいますぞ!」
二人はお姫さまを起こさないように、そっと部屋から飛び出しました。

「ああ、大臣よ。おもしろかったなあ。本当におもしろかった!」
王さまは上機嫌で魔法の薬のことをほめました。ふと見れば東の空も白々と、夜も明ける時刻になっておりましたので、二人はそろそろもとの姿に戻って眠ることにしました。
さて、その時になって王さまはあることに気がつきました。そのおまじないの言葉が、どうしても出てこないのです。
「大臣、もとに戻るおまじないの言葉をおぼえているか?」
王さまがたずねると、大臣は顔をまっさおにしていいました。
「王さまも、おもいだせないのですか?」

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