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鳥になった王さま 5

「ゼルオ、クル、ルぺフ(ゼルオドルムよ、戻し給え)!!」
と、王さま。
「ゼルオ、デへ、カプティム(ゼルオドルムよ、救い給え)!!」
と、大臣。

最初の『ゼルオ』は出てくるのですが、その後が続きません。
二人は思いつく限りの言葉をならべたてましたが、大昔の長耳の言葉など若いころに少し習ったことがあるだけですから、どんなに考えてみた所でたかが知れています。
王さまはだんだん恐ろしくなってきました。こんな鳥の姿では、だれも自分のことをわかってくれないでしょう。いや、へたをしたら食べられてしまうかもしれないのです。大臣も、やはり同じことを考えているようでした。
「ああ、もうすぐ夜が明けてしまう。わしがいなくなっているのに気づいたら妃はどれほど悲しむだろう。姫は、家来たちはどれほど涙を流すだろう。」
王さまはそういうと、涙をぽろぽろこぼしました。

大臣もそんな王さまを見て、今にも涙をこぼしそうになりましたが、薬をくれた魔法使いが自分の家に泊まっていることを思い出しました。
「王さま、薬をくれた魔法使いならもとに戻るおまじないを教えてくれるでしょう。きっと、もとに戻れます。ええ、戻れますとも。」
そういって大臣は王さまをなぐさめましたが、それは王さまにではなく自分にいいきかせているようでもありました。

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