« 寝る前の日記(節分) | トップページ | 寝る前の日記(立春) »

鳥になった王さま 8

小さな川と大きな河を七つと七つ、
小さな海と大きな海を七つと七つ、
小さな野原と大きな野原を七つと七つ、
小さな砂漠と大きな砂漠を七つと七つ越えました。

それでも、悪魔の住むという城はいっこうに見えてきません。
二人はだんだん不安になってきました。もしかしたら、あの老人も自分たちのことをだましたのかもしれない、そう思いました。

七日七晩飛んだ夜、大臣は悲しそうな声で
「王さま、もどりましょう。もう、ここがなんという場所なのかすらわからないではありませんか。わたしはもう死んでしまいそうです。どうせ死ぬのであるなら、もとに戻れなくても、家に入れてもらえなくても、せめて、見知った土地で死にたいと思います。」
と、いいました。
その時、はるか遠くに大きな山が見えましたので、王さまは
「あの山まで飛んでみよう。あの山を越えて何も見えなかったら、お前のいうとおり国に帰ろう。」
と、大臣をはげましました。

その山を越えた時、はたして王さまの眼に真っ黒なお城が映りました。
「あれが、悪魔の住む城だろうか?」
そういってふりかえった王さまの後には、今越えてきたばかりの山だけがありました。

|

« 寝る前の日記(節分) | トップページ | 寝る前の日記(立春) »

よくわからない何か。」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/525287/10239761

この記事へのトラックバック一覧です: 鳥になった王さま 8:

« 寝る前の日記(節分) | トップページ | 寝る前の日記(立春) »