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鳥になった王さま 12

「ごめんなさい、ごめんなさい。」

そう、泣きながらあやまりつづけるソラトの頭をなでながら、ツグミは
「彼女をゆるしてやってはくれないだろうか?ずっと苦しみつづけてきたのだ。わがはいたちにはこうするしか方法がなかったのだ。われわれ悪魔のしていることはただの悪あがきで、人々を不幸にしているだけなのかもしれん。しかし、それが悪魔を悪魔たらしめている原因であっても、そうすることしかできないのだ。一人では何もできない。悪魔は天使と、ましてや神とは違うのだ。」
と、王さまに頭を下げました。

その時、王さまは、自分が信じてきたものの多くがでたらめであったということを知りました。
自分の目で見たこと。それが全てであって、それだけは間違いのない、王さまにとっての本当なのだと知りました。

「さあ、ソラト。泣いている暇はありませんよ。今こそ一万の人の悲しみを、一万の人の喜びにかえるのです。」
と、一角獣がいいました。

王さまが
「元の姿に戻るにはどうすればよいのですか?」
と、たずねると、ソラトは
「元の姿に戻るのはかんたんですが、そうして国に帰っても魔法使いに捕まってしまうでしょう。まずは、その姿のままで国に帰ってください。そして、魔法使いにフンをかけてこういうのです。
『ジヴェナ、レぺ、エヘト、カンヘート(偽物を与える時には、私たちの物を与える)』
『ジヴェナ、レぺ、レヘエヘト、カンヘート(偽物を与える時には、私たちの者以外には与えない)』
と。そうすれば、あなたが人間に、魔法使いは鳥になるでしょう。」
と、王さまに教えました。

王さまはほかにももっとたずねたいことがあったのですが、
「さあ、わがはいがお前をおくりとどけてやろう。さあ、いくぞ、魔法使いがこれ以上の人を悲しませる前に。」
と、ツグミが大声で急かしましたので、王さまはしかたなくソラトと一角獣にわかれをつげました。

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