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愛甲郡の狩猟(神奈川県) 2

ヤウケすると「ウア」と声をあげて倒れる。前足のつけねの少し下をねらう。
その辺に当たると、いいホンツケだという。下腹だと、どこまでも逃げる。
腸をうつとイヌクソをうったという。当たるとヤをしよったとか、ヤウケという。
ヤをしよって逃げるとハンヤといい、足をつないで追う。
血のことをノリといい、ノリをひいたなどという。

ネカダチというのは、寝ているのが犬に起こされて立つ瞬間をうつことである。

シシを倒すと藤づるをとり、沢に担ぎ出してすぐ腹をマケル。
ワタを早く出さないと腹にガスがたまりふくれてしまう。
シカの肉は生でも食べられるし、血も飲む。
シシはアクモノ食いだから煮ないと食えない。
シシはオカボをかんで、しるだけほきだしたりする。小麦も同様にして食べる。

タチというのは五、六寸もあるブタの腹のような色をしている内蔵の一部で
シシにはあるがシカにはない。人にもあるものだという。腸に付着しているものという。
これをとって「山の神」と唱えてヤブに投げる。
あるいは近くの石の上に供えたり枝にかける。
アミとかタオルといって油の網のようになっているのが内蔵を包んでいる。
それを取り出し、「アミをはれ」といってヤブなどにはる。
これは次の猟があるようにという呪術である。

ブッたものからは胃をもらうことがある。開いて干しあげる。
にがいもので腹いたによい。アミは食べられる。シカの方が内臓はうまい。
夏は禁猟だが、夏はシカは特にうまい。冬は餌がないのでまずい。
皮にまるい斑点のあるのは夏で、冬になるとメケル。

えものは仲間で分ける。犬は一人分で日数の延べ人員で分ける。
毛皮と肉は売り、内蔵だけは酒を買って仲間で飲む。

猟は一度はじめたらおもしろくてやめられない。
一口に「バクチ、バクロウ、野鉄砲」といい、やみつくものだという。

猟に行くもののおかみさんが妊娠していると当たっても逃げる。
そのかわり当たりだすと、むやみにとれる。月経の時は遠慮してセコにまわる。

シシよけの堀をホリキリという。そこを少し埋めて落とし穴などもつくる。
くねを結い一箇所入口を作って、入って餌につくと戸が落ちるしかけをシングネ
またはシシサクなどという。
人の匂いのするうちは入らない。古くなると入るようになる。

フセヅツとかオキヅツというのは、針金の輪に引っ掛かると、鉄砲の引きがねが
引けるようにしたものである。

 

 

まだつづく。( ' ч ' ) < 疲れてきた

『神奈川の民俗』相模民俗学会編 より

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