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愛甲郡の狩猟(神奈川県)

猟をするには、まず山のめぐり(周り)を見て、アシツト(足跡)を見切る。
山へ入ったアシツトと出たアシツトを数えて、入った方が多ければきっといる。
蹴爪の広いのはシシ(猪)で、狭いのはシカ(鹿)である。これで大きさもわかる。

シシはタカミ(高いところ)のススダケのあるようなところにいる。
山のホラ(洞?)にも登ってみる。ソネ(峰?)にも登ってみる。
ソネにはマシカのスジ(獣道)がある。追うとはじめはダラに逃げるが次第にスジにのる。

シシはオキに逃げるが、シカは爪や皮がワクので川くだりしたがる。
そのためシシは一日を追い、二日目も追わないと分配にあずからない。
シカは二日目を休んでも仲間に入れる。
二日追ってとれないと、もう追わない。

追うにはセコ(勢子)と犬がやる。拍子木やガンガラを叩いて追うこともある。
およそシシでもシカでもその性質により地形を見ればどちらへ逃げるか見当がつく。

獣類の通る道はスジという。スジの分岐点とか、次の山へ続くスジのあたりに
鉄砲を配っておく。そこをタツマ(立つ間)という。

シシは茂みをビシビシと音を立てて歩く。川でも泳がないで川底を歩きぬける。
シシは匂いに敏感だが、シカ、ウサギはそれほどでもない。

タツマまでくると、鉄砲ぶち(鉄砲撃ち)がかくれているので、すぐシシは感づき
前足の一方は前方に向け、一方は横に向けて警戒する。
それも一瞬、すばやく逃げてしまう。鉄砲ぶちはその一瞬をねらう。
音のするあたりに銃をつけて(狙って)いて、立ち上がるなと思った瞬間引き金を引く。
立ち上がってからではおそい。
立つ間(立ちあがる瞬間)をねらうので、タツマというのだとのことである。
前足の一方を前に、一方を横に立ち上がる姿勢は、前後左右どちらへでも
敏速に逃げる用意だそうである。

むろん心臓をねらう。肺だともいう。当たらないことをブッパグレという。
背の皮に当たることをナムクラ(鈍ら?)とかヤマクラという。
ヤマクラをやると一時はツッコロバル(目をまわす)がすぐにオッパシル。

 

つづく。( ' ч ' ) < ダラがなんなのかわからん

『神奈川の民俗』相模民俗学会編 より

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